「英語の本を読ませたいけど、どの本を選べばよいか分からない」そう感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。
最近では英語を多読することの有効性が注目されていて、英語多読に関する本も複数出版されています。
ここでは、英語レベルに合った本を探すのに役立つ、Lexile指数をご紹介いたします。
Lexile指数とは何か
Lexile指数(レクサイル指数)というものを聞いたことがあるでしょうか?
あまり耳なれないと思いますが、アメリカのMetaMetrics社が「本の難易度」と「英語の読解力」を数値化するために開発したもので、約180か国で使用されていると言われている指数です。
指数は数字+Lで表され、5または10単位で刻まれ、数字が大きいほどレベルが上がります。
なお、Lexile指数が0L未満の場合には、先頭にBR(Beginning Reader)を付けて表され、数字が大きいほどレベルが下がります。
BR300Lが一番レベルが低く、0Lに近づくほど難しくなるということになります。
推奨される本のレベル範囲は、読み手のLexile指数から、下は100L、上は50Lとされています。
例えば、読み手のLexile指数が100Lの場合、0L~150Lの本がレベルに合った本ということになります。
「本の難易度」は、単語数や単語の難易度、使用されている構文の難易度などからLexile指数を測定し、2017年9月時点で、約18万冊の本にLexile指数が振られています。(出典:Lexile®指数)
「英語の読解力」は、いくつかの英文を一定時間でどれほど読めるか、どれほど理解できたかにより指数が振られます。
Lexile指数を使用する際の注意点
このLexile指数は大変便利なものではありますが、「本の難易度」はコンピューターで判定されたものなので、実際の難易度と合わない場合も多くあります。
例えば、私も原書で読んだ「ハリーポッターと賢者の石」は、Lexile指数880Lで英検レベル2級以下となりますが、実際には英検2級レベルでスムーズに読み切ることはかなり難しいでしょう。
他にも、大人向けの本が110Lに入っているなど、まだコンピューター判断によるLexile指数は完璧とは言えません。
とはいえ、参考値としては有用性の高い判断基準になりますので、本選びに有効に使用することができます。
Lexile指数の確認の仕方
AMAZONの「英語難易度別リーディングガイド」
私自身よく利用しているAmazonの「英語難易度別リーディングガイド」をご紹介したいと思います。
「英語難易度別リーディングガイド」のページではLexile指数の確認ができますし、選んだLexile指数に合わせて、自動的にそのレベルに合った本が表示されるので大変便利です。
一方で幼児向けの本ですと、Lexile指数の確認ができない「BRレベル」になります。
「BRレベル」の本は、まだ「英語難易度別リーディングガイド」では検索ができないため、「英語難易度別リーディングガイド」を活用しても幼児向けの本選びは出来ません。
BRレベルの本の検索方法については、こちらの「@子供におすすめの英語の本の紹介」の記事でご紹介していますので、BRレベルの本をお探しの方はご参考にしていただければと思います。
TOEICのスコアや、サンプルテキストからLexile指数を確認する
Amazonの「英語難易度別リーディングガイド」では、TOEICのリーディングスコアや、サンプルテキストを読むことにより、Lexile指数を確認することができます。
特にTOEICのリーディングスコアからは、どの程度のLexile指数に当たるか一目で分かるようになっているので、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。
サンプルテキストも用意されていて、どのレベルなら読みやすいかを自分で確認することができますが、2019年1月時点では200L~1600Lまでしか用意されていないため、残念ながら200L未満の場合は確認ができません。
この場合は、同じくAmazonの「英語難易度別リーディングガイド」でLexile指数から本を探すことはできるので、0L~95Lという個所から初めて、レベルに合いそうな本を探してみるのが良いでしょう。
英検の受験レベルからLexile指数を確認する
小さなお子様では、TOEICを受験されていない場合がほとんどだと思いますが、英検は受けているというケースが多いので、英検レベルからLexile指数を確認する方法をご紹介いたします。
Amazonの「英語難易度別リーディングガイド」では提供されていませんが、MetaMetrics社が英検各級のリーディング問題がどの程度のLexile指数に当たるかを算出した報告があります。(出典:Lexile® Measurement of Tests: EIKEN & Test of English for Academic Purposes )
英検 | Lexile指数 |
英検1級 | 1,320~1,340L |
英検準1級 | 1,180L |
英検2級 | 1,020L |
英検準2級 | 740L |
英検3級 | 570L |
英検4級 | 510L |
英検5級 | 300~380L |
この報告によると、英検5級で300L~380Lとされています
300Lの場合は、200L~350Lレベルの本がお勧め範囲となります。
もっとも、私個人としては、英検5級で300L~380Lというのは少々レベルが高いという印象を持ちます。
前述の、「Lexile指数を使用する際の注意点」を再度ご参照の上で、レベルを少し下げた本を選ぶなど柔軟に対応するのが良いと思います。
Lexile指数100L未満(0L~95L)のレベル
Lexile指数100L未満(0L~95L)は、アメリカの2~3歳児レベルとされています。
日本の子供たちに当てはめると、英語を勉強し始めた頃から、英検5級合格に向けての勉強を始めるくらいのレベルです。
0Lレベルの本ですと、1ページに簡単な英文が1,2行で構成されている本が多く、絵も幼児向けの物が多いです。
90Lになるとストーリーは簡単ではあっても、英文に否定文や疑問文が出てきます。
日本の絵本で例えるなら、五味太郎さんの絵本のイメージというと想像しやすいかもしれません。
Lexile指数200L未満(100L~195L)のレベル
Lexile指数200L未満(100L~195L)は、アメリカの4~5歳児レベルとされています。
Lexile指数が100L~195Lになると、世界の名作と言われて日本語版も出版されている本も出てきます。
現代のマザーグースと言われるドクタースースの絵本や、エリック・カールの絵本もあり、楽しい読書時間になるでしょう。
リズムが良い本や、韻を踏んでいる本、音源が用意されている物も多いので、いろいろな形で楽しむことができます。
ただし、150L以上になると、英検5級程度の英語力が必要になる本もでてきますし、中には5級でも難しい本もあります。
まとめ
英語の読解レベルに合った英語の本を選ぶ際にとても便利なLexile指数についてご紹介させていただきました。
英語を始めたばかりの幼児がLexile指数を測定できる場所がないこと、また、同じレベルでも難易度にバラツキが感じられるなど、まだまだ今後の改革が期待されますが、それでも英語の本を選ぶ際の一つの目安として重宝する指数です。
このLexile指数を目安にすれば、本屋さんであれこれ本を開いて難易度を確認することもなく、本の絞込みができるので、洋書を選ぶ際にはぜひ参考にしてお試し頂ければと思います。
こちらの記事では、Lexile指数を使用しながら、幼児~小学校低学年向けにお勧めの本、また、BRレベルの本の探し方も併せてご紹介してそれぞれの本の特徴や、本を手に取った時の子供たちの反応をお伝えしておりますので、お子様向けの英語の本選びのご参考にしていただければ幸いです。